ドイツ共産党(スパルタクス・ブント)綱領
−−1918年12月31日ドイツ共産党大会で採択された−−

 十一月九日、労働者と兵士はドイツの旧政体を粉砕した。フランスの戦場では、プロイセンのサーベルによる世界支配という血なまぐさい妄想が消えうせてしまった。世界戦争をひきおこしドイツを血の海にひきずりこんだ悪党どもは、にっちもさっちもいかないところにきてしまった。四年にわたって欺かれ、モロク(註1)に身を捧げて文化への責務、名誉感情および人間性を忘れはて、あらゆる恥辱行為に身をまかせてきた人民は、四年間にわたる麻痺から目ざめた−−深淵を前にして。
 十一月九日、屈辱的な軛を投げ捨てるためにドイツのプロレタリアートは蜂起した。ホーエンツォレルン家は追放され、労働者−兵士評議会が選出された。
 しかしながらホーエンツォレルン家は、帝国主義ブルジョアジーおよびユンカーのたんなる代理人でしかなかった。ブルジョア的階級支配−−これこそがドイツでもフランスでも、ロシアでもイギリスでも、ヨーロッパでもアメリカでも、世界戦争の本当の責任者である。万国の資本家ども−−これこそが諸国民殺戮の本当の主謀者である。国際資本−−これこそが、湯気のたつ幾百万の人身御供を血に飢えたその口に噛みこむ、飽くことのないバール(註2)である。
 世界戦争は社会に二者択一を迫った。資本主義の存続とあらたな戦争、そして混沌と無秩序へのさしせまる破局か、それとも資本主義的搾取の廃絶か、と。
 世界戦争の終結とともに、ブルジョア的階級支配はその存在権を喪った。それはもはや、帝国主義的放縦が遺したおそるべき経済的破局から社会を救い出すことはできない。
 生産手段は途方もない規模で無に帰した。労働者階級の最良にしてもっとも活動力ある中核をなす、数百万の労働者が虐殺された。生きて帰還した者には失業の悲惨が嘲り笑いながら待ち受けており、飢餓と疾病が人民の力を根だやしにしようとしている。厖大な戦債負担による国家財政の破綻は、不可避である。
 この血みどろの混乱、この裂けた深淵からのがれるためには、社会主義によるほかにいかなる救済も、いかなる救出の道もない。ただプロレタリアートの世界革命のみが、この混沌に秩序をもたらし、あらゆる人びとに仕事とパンを供給し、諸国民相互間の殺戮に終止符をうち、虐げられている人びとに平和と自由、真の文化をもたらすことができる。賃金制度の打倒! これが現下の合い言葉である。賃労働と階級支配に代えるに協同労働をもってしなければならない。労働手段は一階級の独占物であることをやめ、全人民の共有物とならねばならない。搾取者および被搾取者をともに根絶せしめよ! 全体の利益のための、生産の調整と生産物の分配。搾取および掠奪としての今日の生産様式の廃止とともに、まさに詐欺でしかない今日の商業の廃止。
 雇主とその賃金奴隷に代えて、自由な労働協同体を! 万人の義務であるがゆえにだれにとっても苦痛ではない労働! 社会に対してみずからの義務をはたすすべての者に人間らしい生活を! 飢餓は今後、もはや労働の呪いではなく、不労者への罰となるだろう!
 そのような社会においてはじめて、諸国民間の憎悪、隷属関係は根絶される。そのような社会が実現されたときはじめて、もはや大地が殺人によって汚されることはけっしてなくなるだろう。そのときにこそいわれるだろう−−この戦争は最後の戦争であった、と。社会主義はこの時点にあって、人類の唯一の救命錨である。倒れゆく資本主義の壁の上に、焔と燃える警告のように『共産主義宣言』(註3)のことばが燃えあがる−−社会主義か、それとも野蛮への没落か!と。

 社会主義的社会組織の実現は、これまで世界史の上である一つの階級、ある一つの革命が担った課題のなかで、もっとも暴力的な課題である。この課題は、国家の完全な改造と、社会の経済的および社会的な基礎における完全な変革とを要求する。
 この改造、この変革は、なにかある官庁、委員会もしくは議会によって指令されうるものではなく、それはただ人民大衆自身によってのみ着手され、遂行されうるものである。
 いままでのあらゆる革命においては、人民のなかのほんの一握りの少数者が革命闘争を指導し、闘争に目標と方向を与え、少数者の利害たるかれら自身の利害を貫ぬくために大衆をただたんに道具として利用した。社会主義革命は、働く大衆の圧倒的多数者によってのみ、勝利へ到達しうる最初の革命である。
 プロレタリアートの大衆は、ただたんに透徹した洞察のもと革命に目標と方向を与えるためにのみ召集されるのではない。かれらはまたみずから、かれら自身の活動をとおして一歩一歩、社会主義に生命の息吹きを吹き込まなくてはならない。
 社会主義社会の本質は、圧倒的多数の働く大衆が支配される大衆であることをやめて、むしろみずから全き政治的および経済的生活を送り、意識的で自由な自己決定のうちにこれを制御するところにある。
 それゆえにプロレタリア大衆は、国家の頂点から最小の村落にいたるまで、ブルジョア的階級支配から伝えられた機関である連邦議会、国会、市町村議会に代えて独自の階級機関である労働者−兵士評議会を設置し、あらゆる部署に人を配し、あらゆる職務を監視し、あらゆる国家的要請をみずからの階級利害と社会主義的課題とに基いて測定せねばならない。そしてただ、人民大衆とかれらの機関である労兵評議会との不断にして活発な相互作用のもとでのみ、かれらの活動は国家を社会主義的精神でみたすことができる。
 経済的変革もまた、ただプロレタリアートの大衆行動によってなされる過程としてのみ、遂行されうる。最上級の革命機関によってなされる、社会化についてのむきだしの指令は、たんに空虚なことばでしかない。ただ労働者だけが、みずからの行為によってそのことばを実体のあるものとなすことができる。あらゆる経営で資本と対峙し争闘しつつ、大衆の直接の圧力やストライキ、かれらの常設代表機関の創設によって労働者は、生産の調整を、そしてついには事実上の支配をみずからのものとすることができる。
 プロレタリア大衆は、資本家が生産過程に配置する無感覚な機械であることをやめ、この過程の、思慮のある自由な、自発的な統御者となることを、まなばねばならない。かれらは、すべての社会的富の独占者たる全体のための、行動的な一員としての責任感を習得しなければならない。かれらは、雇主の鞭なしに勤勉さを、資本主義的職制なしに最高の効率を、軛なしに規律を、そして支配なしに秩序を発展させなくてはならない。大衆の、社会全体のための最高の理想主義、もっともきびしい自己規律、真の公共心は、ちょうど愚鈍、利己主義および腐敗が資本主義社会の道徳的原理であるのと同じように、社会主義社会にとっての道徳豹原理である。
 これらすべての社会主義的公徳心を、社会主義的経営の指導のための知識や能力とともに、労働者大衆はただみずからの活動、みずからの経験をとおしてのみ、手に入れることができる。
 社会の社会化は、労働が資本と、人民がブルジョア的階級支配と直接に対峙するあらゆる地点で、ただ粘り強い、倦むことのない大衆の闘争を通じてのみ、その全面にわたって、実現されることができる。労働者階級の解放は、労働者階級自身の事業でなければならない。

 ブルジョア革命においては、流血、テロル、政治的殺人は、台頭しつつある階級の手にする不可欠の武器であった。
 プロレタリア革命は、その目的のためにいかなるテロルをも必要とせず、暗殺を憎悪し、嫌悪する。この革命がこの闘争手段を必要としないのは、それが個人とではなく制度と闘うからであり、破れたからといって流血をもって復讐するような、そんな無邪気な幻想をいだいて闘技場に臨むものではないからである。この革命は、暴力をもって世界をみずからの理想にあわせて形づくろうとする、少数者の絶望的在試みではなくて、歴史的使命を果し、歴史的必然性を現実性に転化させるべき、圧倒的な幾百万人民大衆の行動である。
 しかしながら、プロレタリア革命は同時に、あらゆる隷属と抑圧にとっての弔鐘である。それゆえにプロレタリア革命に対抗して、すべての資本家、ユンカー、小ブルジョア、士官が、搾取と階級支配のすべての受益者、寄生者が、あたかも一人の人間であるかのように、生死を賭けた闘いに起ち上るのである。
 資本家が議会や国民議会の社会主義的議決に自発的に服するだろうとか、かれらが所有、利潤、および搾取の特権をおとなしく放棄するだろうなどと信ずることは、ばかげた妄想である。あらゆる支配する階級は最後まで、もっとも頑強なエネルギーをもってみずからの特権を守ろうと努力してきた。ローマの世襲貴族も中世の封建領主も、イギリスの騎士もアメリカの奴隷商人も、ワラキアの地主貴族もリヨンの絹物工場主も−−かれらは、みずからの権力を防御するために、血の奔流を流し、死体を踏みこえ、殺人、放火を重ね、内乱、謀反をひきおこしてきたのである。
 帝国主義的資本家階級は搾取者階級の最後の子孫として、残忍さ、むきだしのシニズム、卑劣さにおいて、すべての先行者を凌駕している。かれらは、かれらの聖体たる利潤、および搾取の特権を、歯と爪をもって、植民地政策の全歴史と先の世界戦争のもとでさらけだしてきたあの冷酷な陰険さというやりかたをもって、防御するだろう。かれらはプロレタリアートにたいして、天国から地獄まで、ありとあらゆるものを動かすだろう。かれらは都市にたいして農民を動かし、社会主義的前衛にたいして遅れた労働者層をけしかけるだろう。かれらは士官たちとともに、虐殺をたくらむだろう。かれらは無数の消極的低坑の手段をとおして、すべての社会主義的措置を麻痺させようと試みるだろう。かれらは革命に二十もの内乱を背負わせるだろう。かれらはクレマンソー、ロイド・ジョージ、ウィルソンの銃剣たる外敵を、救世主として国内に呼び込むだろう。−−かれらは自発的に賃金奴隷制度を放棄することよりも、むしろ国土を焦土とすることを選ぶだろう。
 これらすべての抵抗は、一歩また一歩と、鉄拳と容赦のないエネルギーとをもって破砕されねばならない。ブルジョア反革命の暴力にたいしてはプロレタリアートの革命的な暴力が対置されねばならず、ブルジョアジーの陰謀、策略、悪計にたいしてはプロレタリア大衆の不屈の目的意識性、警戒心、不断の活動態勢が、差し迫る反革命の危険にたいしては人民の武装と支配階級の武装解除とが、ブルジョアジーの議会に倉ける妨害策動にたいしては労働者−兵士協同の活動的な組織−−集中し団結してもっとも強められた労働者階級の力−−が、対置されねばならない。全ドイツ・プロレタリアートの密集した戦線−−南ドイツと北ドイツとの、都市と農村との、労働者と兵士との−−が、ドイツ革命とインターナショナルとのいきいきとした精神的提携が、ドイツ革命のプロレタリアート世界革命への拡大が、ただそれのみが、未来の建物を建てるにたる花崗岩の土台を創造することができる。
 社会主義をめざす闘争は、これまでの世界史のうえでもっとも激烈な内戦であり、プロレタリア革命は、この内戦に必要な武器を準備しなければならず、それを使用することをまなばねばならない−−闘争し勝利するために。
 緊密に結合した働く人民大衆が革命の任務をはたすために全政治権力を握り、このように武装すること、これこそがプロレタリアートの独裁であり、それゆえに真の民主主義である。賃金奴隷が資本家と、農村プロレタリアがユンカーと虚偽の平等の席にあい並んでかれらの死活問題を議会的に討議するところにではなく、幾百万プロレタリア大衆が全国家権力をふしくれだったそのこぶしに握りちょうどトール神(註4)がハンマーを叩きつけるのと同じように支配階級の頭を叩きつけるところに、そこにのみ、人民をすこしも欺かない民主主義がある。
 プロレタリアートにとってこれらの課題の実現が可能となるために、スパルタクス・ブントは要求する。−−

A、革命の確保のための即時の措置として

1、全警察、すべての士官、および非プロレタリア的兵士の武装解除。支配階級に属するすべての者の武装解除。
2、武器−弾薬在庫および軍需工場の、労兵評議会による接収。
3、すべての成人男子のプロレタリア的住民の、労働者民兵隊としての武装。反革命的な打撃や宣伝にたいする革命の不断の防衛のための、民兵隊の活動的な部分のプロレタリアによって構成される赤衛隊の設立。
4、士官、下士官の命令権の廃止。軍隊的絶対服従の、兵士の自発的規律によるおきかえ。随時召還権のもとでの、兵士による上官の選挙。軍事裁判権の廃止。
5、士官および再役兵の、兵士評議会からの排除。
6、前体制のすべての政治的機関、官庁の、労兵評議会の信頼にたる者によるおきかえ。
7、戦争およびその継続の主犯、両ホーエンツォレルン(註5)、ルーデンドルフ、ヒンデンブルク、ティルビッツと、その共犯者、ならびにすべての反革命の徒党に判決を下すべき、革命裁判所の設置。
8、人民の食糧の確保のための、生活手段の即時の接収。

B、政治的および社会的分野について

1、すべての邦の廃止。統一したドイツ社会主義共和国。
2、すべての国会、市町村議会の除去と、労兵評議会ならびにその委員会、機関によるその機能の引継ぎ。
3、全ドイツにわたる、都市と農村とのすべての両性の成人労働者による経営別の労働者評議会の選出と、士官および再役兵を除いた兵士による兵士評議会の選出。その代表者をいつでもリコールできる、労働者と兵士の権利。
4、労兵評議会中央評議会のための、全国の労兵評議会の代議員の選出。この中央評議会による、立法と執行の権力をもつ最高機関としての執行評議会の選出。
5、執行評議会の活動についての恒常豹な監督のために、そして全国の労兵評議会の大衆とその最高の統治機関との間のいきいきとした接触のために、暫定的にすくなくとも三ヶ月ごとの−−代議員はそのたびごとに選挙される−−中央評議会の会合。代議員がかれの委任者の意に添わない場合における、その地域の労兵評議会の、中央評議会代議員の随時の召還とその補充の権利。人民委員、および中央の官庁と官吏を、任命し罷免する、執行評議会の権利。
6、あらゆる身分差別、勲章および爵位の廃止。法律的社会的な完全な両性の平等。
7失業の統制のための、また世界戦争による労働者の肉体的疲弊を斟酌しての、徹底した社会立法、労働時間の短縮−−最高労働日六時間。
8、プロレタリア革命の意義とその精神のもとでの、食糧、住宅、教育の諸制度の即座の徹底的な改革。

C緊急の経済的要求

1、人民全体のための、すべての王室財産、所得の没収。
2、労兵評議会中央評議会によって決定されるある一定の額までのものを除いて、国債、その他の公債、およびすべての軍事公債を無効とすること。
3、すべての農業大経営、中経営の所有地の収用。−−全国にわたる統一的中央指導部のもとでの社会主義的農業協同体の形成。−−農民的小経営は、社会主義的協同体への自発釣な加入までその持主の所有にとどまる。
4、すべての銀行、鉱山、精錬所、ならびに工業および商業におけるすべての大経営の、評議会共和国による収用。
5、中央評議会によって決定される一定の額以上の、すべての財産の没収。
6、全公共交通制度の、評議会共和国による転用。
7、労働者評議会の了解のもとに、経営内の事務を整理し、労働関係を規制し、生産を監督し、ついには経営の支配権を引き受けるべき経営評議会の、すべての経営における選出。
8、経営評議会と並んで、ストライキ委員会の任命。これは、全国的に始まりつつあるストライキ運動に統一した指導、社会主義的方向、そして強力な支持を、労兵評議会の政治的権力をもって確保すべきものである。

D、国際的任務

 社会主義革命を国際的な基盤の上に置き、世界プロレタリアートの国際的な親交と革命的な昂揚とによって平和を形成し、確保するために、外国の兄弟党との結合を即座に採用すること。

 これを、スパルタクス・ブントは欲する。
 そしてこれを欲するがゆえに、革命の促進者、推進者であるがゆえに、革命の社会主義的良心であるがゆえに、スパルタクス・ブントは、革命とプロレタリアートとの公然隠然のすべての敵によって憎悪され、迫害され、そして誹謗される。
 スパルタクス・ブントを磔にしろ!−−金庫を心配し慄える資本家どもが叫ぶ。
 スパルタクス・ブントを礫にしろ!−−ブルジョア的階級支配の肉鍋を心配し慄える小市民、士官、反ユダヤ主義者、ブルジョアジーお抱えのジャーナリストが叫ぶ。
 スパルタクス・ブントを礫にしろ!−−惑わされ、欺かれ、悪用された労働者、兵士の層が、なおもこだまのように叫ぶ。かれらは、スパルタクス・ブントに暴威をふるうとき、自己の血と肉にたいしてそうしているのだ。ということをしらない。
 スパルタクス・ブントにたいする憎悪と誹謗の一点において、反革命的な、反人民的な、反社会主義的な、曖昧な、うしろ暗い、不明瞭なものすべてが、団結する。そのことによって確証されるのは、スパルタクス・ブントのなかに革命の心臓が脈うっていること、未来はスパルタクス・ブントのものであること、である。
 スパルタクス・ブントは、労働者大衆のうえにたってないしは労働者大衆を利用して、支配権を手に入れようと希む党ではない。スパルタクス・ブントは、ただたんにプロレタリアートのもっとも目的意識的な部分であるにすぎたい。スパルタクス・ブントは、全労働者大衆に一歩ごとにかれらの歴史的な使命を指し示し、革命の各々の個別的段階ごとに社会主義の最終目標を、あらゆる国民的問題においてプロレタリア世界革命の利害を、代表する。
 スパルタクス・ブントは、ブルジョアジーの下働き、シャイデマン=エーベルトと統治権力を分け合うことを拒絶する。なぜならば、そのような共同作業においては社会主義の諸原則上の裏切り、反革命の強化、そして革命の麻痺を見ることになるからである。
 スパルタクス・ブントはまた、ただたんにシャイデマン=エーベルトが破産し、また独立派(註6)がかれらとの連携により袋小路に迷い込んだからということだけで権力に到達することを、拒絶するだろう。
 スパルタクス・ブントは、ドイツのプロレタリア大衆の圧倒的な多数の、明確にして曖昧さのない意志によるほかには、スパルタクス・ブントの見解、目標そして闘争方法へのかれらの意識的な同意によるほかには、けっして統治権力を引き受けることはないだろう。
 プロレタリア革命は、段階的に一歩一歩、みずからの辛い経験というゴルゴタの道をたどり、幾度かの敗北と勝利を通ずることによってのみ、全き清澄と成熟に到達することができる。
 スパルタクス・ブントの勝利は、革命の初めにではなく、終りにある。−−それは社会主義的プロレタリアートの幾百万大衆の勝利と一致している。
 起て、プロレタリア! 闘いへ! ひとつの世界を獲得すること、ひとつの世界と闘争することが問題なのだ。人類最高の目標に向っての、世界史上最後のこの階級闘争において、敵に与えることばはこうである。−−目の上に親指を、胸の上に膝を!
〔訳註〕
 1 モロク−−人身御供をもって祭られた、カナン人の牛身の神。
 2 バール−−古代西セム種族の日神。
 3 『共産主義宣言』−−『共産党宣言』のこと。
 4 トール−−北欧神話の雷神。
 5 両ホーエンツォレルン−−ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世とその皇太子。
 6 独立派−−独立社会民主党のこと。

ローザルクセンブルグ研究会訳
1970年
高見出版刊パンフレット